現在、ベトナムではいくつかの産業が中心となっています。ベトナムで伝統的に盛んで、現在は外貨獲得のために政策的に育成されている繊維産業や、2009年にサムスンが輸出拠点として進出して以降盛んになった携帯電話・部品産業といった製造業が主なものです。ベトナムがもともと製造業中心の産業構造であるという特徴から、経験豊富で安価な工場労働者の確保の容易さを見込んで多くの中小企業がベトナムに進出してきました。
元々政治体制の影響もあって国有企業のシェアが全体の割合の多くを占めていたベトナムの産業でしたが、近年では外資系企業の参入を積極的に誘致する動きが見られるため、新たな海外進出先という点で中小企業を中心に多くの日本企業から注目を集めています。また、すでに進出済みの大手企業でも既存の設備・サービスなどへの拡張投資が進んでおり、今後ますますベトナムへの進出・投資は加速していくと考えられます。
所得も上がり、産業構造も変化しかけている
こうした政策的な外資系企業の誘致や投資の加速、国内産業の育成の結果、ベトナムでは同じASEANのフィリピンやインドネシアと比べても貧困率が大幅に改善されています。また、所得階層を見ても中間層が比較的厚く、所得の不平等度が小さくなっていることもあり、増加を続ける人口動態と相まって国内消費市場への期待感も高まっています。製造・輸出拠点としてだけでなく消費市場としての進出先として、ベトナムは魅力的になりつつあるのです。
また、製造業中心のベトナムの産業構造は、近年の経済発展に伴ってサービス産業のシェアが拡大しつつあります。こうしたサービス産業のシェア拡大自体は、他のASEAN諸国の産業構造と比較して大きな違いがあるわけではありません。しかし、先進国と比較してまだまだ低い状況に鑑みれば、ベトナムのサービス業は今後も伸びる余地があり、進出先としてのポテンシャルを秘めていると言えます。金融系のサービスや商品などは特にまだまだ伸びる余地のある産業として魅力的です。
情報源: ハノイ日本語ガイド・通訳の集め:
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